■2インチ双眼装置(新規)製作開始


 
3月末にご注文をいただいていましたが、部材がようやくそろい製作を開始しています。

双眼装置本体こそ共通ですが、鏡筒との接続部分は毎回微妙にご要望が異なり、同じ仕様のものはほとんどありません。 

したがって部材の多くは在庫として保管することができず、注文後1〜2か月は進捗を報告できず、ご心配をおかけすることになってしまいます。

今回の特徴は2つ。

左眼側、視度補正装置が新しくなったことと、3インチドローチューブ接続となることです。

新方式視度調整機構

視度補正の直進ヘリコイドは元は接写用品で、今までにない使いやすさと強度を備えています。

内径は本来、2インチバレルは貫かないのですが細かい細工によって貫通するようにできました。

ヘリコイド単体の移動量は14mm(±7mm)もあるのですが、そこまで必要ないので実装都合で±4mmとしました。




3インチドローチューブ接続

これが装着されるのは 日本最大級の屈折機でドローチューブは3インチ規格となっています。

2インチ天頂ミラーから先は3インチバレルとなっています。 3インチバレルの先端にはM72のフィルタねじを用意しました。

なおバレルを組み替えれば天頂ミラー無しの直視で3インチ接続も可能です。

  



もちろんデフォルトの2インチバレルも取付可能です。



大型機の焦点引き出し量は十分すぎるほど長いのですが、併用予定の中型屈折機のほうは天頂ミラー付きだと引き出し量に余裕はありません。

そこで2インチバレルを外して、双眼装置と天頂ミラーとを直結できるようにしています。

2インチ重量級のアイピースを付けることを想定して 低床化により光軸周りの重量によるモーメントを減らしています。

またモーメントのかかる所を3インチ化することは回転固定が楽になると思います。

なお中型機のほうも、3インチバレルがそのまま挿せるよう、接眼部の接続部品を用意する予定です。



光学系はまだ入っていませんが部材はそろっており下ごしらえの段階です。

                (2025年5月3日)




光学系を組み込みました。

残る工程は 遮光絞り設置、保護ガラス設置、光軸調整、外観仕上げなどです。

              (2025年5月6日)

光学調整が完了しました。

2インチ双眼装置の組立調整は、分解する回数を極力少なくなるよう心掛けています。

そのたび汚れや破損のリスクがあるからです。

今回は新しい調整方法を取り入れ、おそらく今までの最小回数で組立できました。

画像は新方式のレーザーアライメントの様子。



残る工程は 保護ガラス設置と、外観仕上げです。

  

隣のは フジノンの防振双眼鏡テクノスタビ20X40(借用品)です。

ほぼ同じ大きさですが、重さは樹脂を多用しているテクノのほうがだいぶ軽いです。

近々テストの予定ですが 双眼装置のほうを優先で仕上げます。
 
       (2025年5月11日)

納品しました。 (2025年5月12日)


照準ファインダー2題

自動導入経緯台ができたとはいっても 100%頼れる状況ではない。  ちょっこっと見たいところに向けたい。 そういうことはある。

しかし鏡筒を下から見上げながら照準するのは想像するだけで苦痛だし、太く短い筒だとうまく狙いがつかないい。

今回は照準ファインダーを2種類作ってみた。 5cmファインダーの枠に同居するかたちにした。




図中、水色は素遠しの筒だけ照準器。 (内径はφ12、内面は黒色艶消し塗料を塗った)

これだけでも鏡筒自身で照準するよりはずっと楽になった。





黄色で囲ったのは一眼レフのアングルファインダー。 ニコンのDR-6というもので、ピント操作はもちろん、正立像かつ 90°ごとに接眼部が回転でき

倍率切替(X1とX2)ができる。 どちらも非力だが観望会やちょい見用には使えるかも。

          (2025年5月6日)



FUJION1 TECHNOSTABI TS-L 2040の使い勝手改善

前回インプレを書きましたが、オーナーさんと相談し3か所の改良をおこないました。

その1 三脚アダプター



本機には三脚ねじがなく、バンド締付式の三脚アダプタになるのですが、市販の三脚アダプターのほとんどは受面がカマボコ状の円筒のため

底面がフラットな本機を載せると ぐらついてしまいます。 





上面は平面にして下部はアルカスイスプレートとし、中央には1/4インチカメラネジも設けています。


その2 ツノ型見口

オーナーさんも私と同じ 裸眼で ツノ型見口派、意見が合うことが多いので進めやすいのです。 



画像の市販品が丁度合いました。

ツノ型見口を装着した場合に保護キャップまで考慮しているメーカーは少ないと思います。

かぶせ式のポリキャップを逆に使って、落し蓋式のキャップを製作しました。


その3 対物レンズ先端に48mmフィルタねじ取付



TS-X 2040では48mmフィルタねじがあったのに、新型のTS-Lでは省略されています。

本機の対物レンズの中心間隔は約47mmしかないから48mmフィルタの装着は(メーカー的に言えば)無理です。

でもレンズとフィルタを同軸上に配置する必然性は低く、フィルタの中心距離を50.2mmとして偏心させて可能としました。

それよりも どうやってフィルタねじを本体に固定するか? これが難題

もし自分用の双眼鏡だったならフィルタ枠を本体に強引に接着して済ませてしまいますが、そうもいきません。 

双眼鏡本体にいっさい加工を入れず、運用中も傷をつけることなのない固定方法を考えました。

まず48mmフィルタ枠を連結保持するメガネプレート(画像中央)を鋼板で製作しました。



そして本体側は対物レンズの両横にネックストラップ用の穴があるのでこれを足掛かりに取付金具を固定しました。



メガネプレートと取付金具はお互いを磁石で吸着して着脱式としました。 この位置に磁石があっても防振制御には影響をあたえません。

これで、48mmフィルタ枠が固定され、このネジを使って フィルタキャップやフードが簡単に取付できるようになりました。

フード(画像)は長さ60mm。 これぐらいがプロポーション的にはイイと思うのですが、もし遮光効果が足りない場合は2個連結するつもりです。 

メガネプレートはかなり丈夫な造りにしています。 無理な力がかかった場合は磁石のところで外れるようにしています。

仮の白いフードはプラスチック製ですが アルミで製作中です。




               (2025年5月25日)



賞月観星 NFV 15X56 の接眼見口の改造

遮光性のある 「つの型見口」 にするのはいつもの成り行きですが、違うところがあります。

本機はIF式で接眼部は回転ヘリコイド。 ピント合わせに伴い つの型見口も回転してしまいます。

CF式では回転が起こらないだけでなく、視度調節も多くは直進ヘリコイドのため回転は起こりません。

(目幅調整では見口は回転しますが その回転角はわずかで実質影響がありません)



そこでIF式では つの型見口は360°自由に回転できるようにしています。(これはメガネ対応のツノ見口のときもそうでした)

接眼部とゴム見口の間に画像のようなジュラコン製の回転リングを仕込んであります。

(下図の手前側はゴムをはずして回転リングが見えている)



見口は非常に軽く回るので少々回転がずれていても眼をセットすれば見口はそれに沿うように回転します。

高さ調節式にはなってませんので、まあまあ良さげな高さに仕上げています。



落し蓋式の接眼キャップです。

手持ちのコダックの35mmフイルムのかぶせ式キャップが丁度合いましたが、いまどきフイルムは買えないですね。

見口以外の部分については伝統的に完成しており手を入れるところはなかったです。

         (2025年6月5日)




HAL三脚フラットパッドの製作

先日作ったミザールアルミ三脚用アジャスターですが、使ってみて良かったので、もう1個あるビクセンHALアルミ三脚も。という流れになります。

しかし、この三脚の目的はアジャスターではなく、パッドにより畳の上に設置しても凹まないようにするためだけです。

(上に乗せる赤道儀に極軸の上下水平微動がついているので三脚上面の水平精度は寛容で良いと思っています)

  

前回はM12のアジャスタボルトでしたが、今回は1段小さいM10を使用しました。

規格上、パッド径はφ60→φ38と かなり小さくなります。 今回は三脚先端の石突きは切断せず、取付ねじ穴だけ開けました。

  


アジャスタボルトの出しろは調整式にせず、固定しています。 並べるとこれぐらい大きさが違います。

                     (2025年7月27日)


BIG WING JUNIOR(改)の製作開始

海外の方より2インチ双眼装置システムの製作依頼をいただきました。

お持ちの機材はドブソニアン Explore Scientific製 口径400mm、FL1800mm(f/4.5)

また、屈折機については口径130mm機155mm機を所有しておられます。

いずれも日本に正規ディーラーはないと思われ、情報がなかなか取れません。

ドブについてはトラスドブで、このタイプはトップリング側を極力軽量化しており、そのコンセプトに反して超重力級の2インチ双眼装置システム

を装着すると大きく崩れたバランスを修正するのがとても大変なことが予想されました。

そこで軽量小型タイプの BiG WING JUNIOR を使ったシステムを提案し了承していただきました。

JUNIORの初号機では等倍延長レンズ付きのニュートン反射専用であったのですが、これを発展させニュートン、屈折両用とし、

さらに右眼の視度補正ヘリコイドを追加しました。



図のように先端を取り換えることにより、3ウエイの使い方ができます。

JUNIORの内部光学系の有効径は若干小さく、イメージサークルは小さいです。 (標準タイプがφ47mmに対し、JUNIORはφ34mm)

しかし標準タイプではそれ用の延長レンズは倍率1.35倍(等倍は不可)なのに対し、JUNIORは等倍の延長レンズにできるので 

得られる最大実視界はあまり変わりません。  オーナーさんがお持ちの2インチアイピースでの倍率、実視界表を作ってみました。 



30mm70°のアイピースが約65°にケラレますが それ以外は遜色ないです。

2インチ双眼装置の肝である、「実視野の広さ」 に関して言えばこの鏡筒において

・標準タイプ(1.35倍延長レンズ付き)で 約1.11°

・JUNORタイプ(等倍延長レンズ付き)で 約1.08°

となり、ほとんど同じとなります

もちろん標準タイプを1.35倍延長レンズを介さずダイレクトに接続できれば最強の広視界約1.5°が得られますが、それには主鏡筒に相応の加工が必要です。

今後はJUNIORタイプの比率を増やしていきたいと思います。

2つの理由
があります。

理由ひとつめは、せっかく標準タイプを製作しても、重量バランスなどの困難のため 望遠鏡に仕上げたり、運用したりする段階で 「もてあまして」

手放されるお客様が散見されること。 機材全体のバランスは大事です。

理由ふたつめは、弊工房の標準タイプ用銀ミラーの在庫が残り少なくあと数台分しかないことです。

在庫払底後は銀ミラーを新規に調達する予定はありません。

なので もし
アルミを銀ミラーに換装や メンテナンス交換等のご要望があれば早めにご用命いただけますようお願いします。

                     (2025年10月5日)


組立てが ほぼ終了しました

機械加工部品が入荷しさっそく組上げました。

3ウエイの使い方の画像を載せます。 前回のCAD図より分かりやすいと思います。

     等倍延長レンズを付けた状態 (ドブソニアン使用時)


     2インチ天頂ミラーを付けた状態 (屈折使用時)


      2インチスリーブを付けた状態 (直結使用時)


現状、双眼装置は仕上げと微調整が未実施で、等倍レンズはまだレンズが入っていません。
 
         (2025年10月26日)  


納品完了しました。 (2025年11月4日)





筒バンドの製作

大学の天文研究会からご依頼を受けて製作中です。 

前回と同様、SkyWatcherのDOB16鏡筒用のもので、電視観望にご使用とのこと。  

設計は基本同じですが一部修正しています。



バンドと連結板ができたところです。バンドは6mm厚、連結板は4.5mm厚の鋼板を曲げて作っています。

鋼板両側の曲げが剛性とバンドとの溶接強度を担保しています。



今回も笠井のロスマンディ互換の大型アリガタ金具を連結板の下に敷き二重構造にしています。

                 (2025年12月8日)



溶接とスラグ取り、稜線部のR付けが完了しました。

来週はメラミン樹脂の焼付塗装を行います。

               (2025年12月13日)



メラミン樹脂の焼付塗装は分厚くて硬く白磁のようです。 フエルトはお客さまのほうで貼られることになります。

寸法的なチェックは終わっているので早々に納品となりました。

             (2025年12月19日)





直線上に配置
                                                                

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